見込み客を放置しない仕組み──ステップメールで営業を自動化する

名刺交換をした。LINEに登録してもらった。その場では「ありがとうございます」で終わって、そのあと何も送っていない。心当たりのある経営者は多いはずです。展示会や店頭で集めた連絡先が、リストの中で眠ったままになっている。これは怠けているわけではなく、単純に「次に何を、いつ送るか」を決めていないだけです。ステップメールは、その「次」をあらかじめ書いておいて、あとは自動で届く仕組みに変える方法です。

目次

「一度きりの案内」で終わっている見込み客

多くの中小企業では、見込み客への連絡が一回きりになりがちです。資料を送った、初回の案内を出した、そこで止まる。理由は単純で、担当者が毎回手作業で連絡先を確認し、文面を考え、送信しているからです。件数が増えるほど手が回らなくなり、結局そのまま連絡が途絶えます。

一方で、見込み客の側は「すぐにでも欲しい」わけではないことがほとんどです。名刺交換した時点では検討段階になかっただけで、数週間後、数か月後に必要になる人もいます。そのタイミングで思い出してもらえるかどうかは、こちらから接触を続けているかどうかで決まります。一度の案内で終わらせず、時間を置いて何度か届く仕組みを持っているかどうかが、ここでの分かれ目になります。

さらに厄介なのは、この「連絡が途絶える」状態が、担当者の怠慢ではなく仕組みの欠如によって起きている、という点です。忙しい時期が続けば、フォローの優先順位はどうしても下がります。担当者が変わればなおさらです。属人的な対応に頼っている限り、同じことが何度でも繰り返されます。だからこそ、人の手を離れても動き続ける仕組みが必要になります。

ステップメールは「順番に届く手紙」

ステップメールとは、登録した日を起点にして、1日目・2日目・3日目というように、あらかじめ用意しておいた文面が自動で順番に届く仕組みのことです。人が毎回送信する必要はなく、一度文面を登録しておけば、あとはシステムが日数を数えて配信します。

宛名の部分には登録者の名前が自動で入ります。Aさんが登録すれば「Aさん、こんにちは」、Bさんが登録すれば「Bさんこんにちは」と、文面はひとつでも、届く相手ごとに宛名だけが差し替わる仕組みです。登録するタイミングは人によってばらばらですが、それぞれの起点日から数えて同じ順番でメールが届くので、誰が見ても1通目から始まり、内容が混ざることはありません。

この「順番」を人間が毎回組み立て直す必要がない、という点がステップメールの中心的な価値です。一度仕組みを作れば、あとは見込み客が増えるたびに同じ流れが繰り返し働きます。

何を、どんな順番で送ればいいか

用意する内容に迷ったら、まず「一度に全部伝えようとしない」ことを意識してください。自社の強みや特徴を一通のメールに詰め込んでも、読み手は情報量に圧倒されて読み切れません。むしろ、1通につき伝えることをひとつに絞り、日を分けて届けたほうが記憶に残ります。

たとえば、ある工務店であれば、1通目は地域での実績、2通目は得意な工法、3通目は施工後のアフターサービスというように、強みをひとつずつ小分けにして送る形が考えられます。専門知識をお役立ち情報として無料で提供する内容も相性がよく、読み手にとって「売り込み」ではなく「参考になる情報」として受け取ってもらいやすくなります。

購入後のフォローにも使えます。数日後に満足度を尋ね、しばらく経ってから改めて来店や再購入を促す、という流れをあらかじめ組んでおけば、担当者が一件ずつ思い出して連絡する手間がなくなります。誕生日など、登録した年月日を基準にした案内を組んでおけば、送るタイミングが一部の時期に集中せず、年間を通じて自然に分散します。

もうひとつ有効なのが、選択式の案内です。複数の候補を提示し、読み手が選んだ先によって、その後届く内容を変えるという組み方です。興味のある方向に合わせた案内が届くので、一方的な売り込みよりも受け取ってもらいやすくなります。どの内容も、あらかじめ書いておくのは最初の一度だけで、あとは登録者が増えるたびに同じ流れが自動で繰り返されます。

メールとチャットアプリ、使い分けの考え方

見込み客との接点は、メールだけに限りません。LINEなどのチャットアプリを使う会社も増えています。それぞれ得意なことが違うので、役割を分けて考えると使いやすくなります。

メールは長い文章を届けるのに向いています。サービスの詳しい説明や、複数の選択肢を比較してもらう案内には、メールのほうが適しています。一方でチャットアプリは、開いてもらえる率が高く、登録の手間も少ないという利点がある反面、長い文章を送るとかえって読まれず、ブロックされる原因にもなります。案内は短く、詳しい話は別の場所へ誘導する、という役割分担が基本になります。

どちらか一方に絞る必要はありません。両方の窓口を用意しておき、片方が使えなくなった場合でも、もう一方から連絡が続けられるようにしておく。これも、見込み客を放置しないための備えのひとつです。

なお、チャットアプリを営業目的で使う場合は、文面にも注意が必要です。過度に売り込みが強い表現が続くと、システム側の判断でアカウントの利用が制限されることがあります。案内文はできるだけ簡潔にし、詳しい説明は別の場所に譲る、という基本を守るだけでも、そうしたリスクは下げられます。

仕組みを作る手順は、思っているより小さい

「順番に届く仕組み」と聞くと、大がかりな準備が要るように感じるかもしれません。ですが、最初から完璧な流れを作る必要はありません。まずは3通ほどの文面を用意するところから始めれば十分です。1通目は挨拶と自己紹介、2通目は強みのひとつ、3通目は次の一歩を提案する内容、という程度で構いません。

一度この3通を用意して配信の仕組みに登録してしまえば、あとは見込み客が増えるたびに同じ流れが自動で動きます。効果を見ながら、4通目、5通目と少しずつ足していけば、最初から完璧を目指すよりも早く運用が始められます。大事なのは、完成度よりも「今の連絡が途絶えている状態」を先に止めることです。

登録した見込み客に、何を、どの順番で届けるか。ここを一度決めて仕組みにしてしまえば、あとは日々の手間をかけずに接触を続けられます。まずは、今すでに手元にある名刺やLINEの登録先に対して、3通ぶんのメッセージを書き出すところから始めてみてください。それだけで、放置されたままのリストが、少しずつ動き出すはずです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
続きは無料メール講座「AI社長のお困りごと相談」(全7回・無料)で配信中:
https://api.leadconnectorhq.com/widget/form/t564qhnuzISZeGUW76aJ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

中山博之(ニタ)/ニタ@AIと会社を経営する55歳
会計ソフト会社に29年、社長業は19年目。中小企業の現場で生まれた仕事の仕組みを、AI時代向けに作り直しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次