まとめて仕込んで前倒しする──予約投稿の運用設計

SNSを始めたはいいものの、忙しい日に投稿が1本飛ぶ。次の日も飛ぶ。気がつくと2週間、アカウントが止まっている。心当たりのある経営者は多いと思います。多くの人はこれを「自分の意志が弱いからだ」と捉えて、次はもっと気合を入れようとします。ですが、続かない原因の多くは意志ではなく、単純に段取りの問題です。投稿する日にゼロから考えて作っているかぎり、忙しさに負けるのは当然で、そこを気合で埋めようとすると長続きしません。

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続かないのは、当日に作っているから

投稿が止まる会社を見ていくと、共通しているのは「その日にその日の分だけ作っている」という進め方です。忙しい日が1日でも入れば、その日の投稿はそのまま抜けます。抜けた1本を後から埋める余力は、忙しい日にはたいてい残っていません。

一方で、投稿が止まらない会社は、投稿する日と作る日を分けています。作る日にまとめて何本分か仕込んでおき、投稿する日は仕込んだものが自動で出ていくのを確認するだけにしておく。この分離ができているかどうかが、続く・続かないの分かれ目になっています。

予約投稿という仕組みを先に知っておく

多くのSNS管理ツールや動画投稿サービスには、あらかじめ日付と時間を指定して自動で公開する「予約投稿」という機能が用意されています。投稿する画面から日時を設定すれば、その時刻になったときに自動で公開される仕組みで、特別な契約や外部サービスを追加しなくても、標準機能として使えることがほとんどです。

この機能を使えば、10本、20本とまとめて作った投稿を、先の日付まで並べて入れておくことができます。動画のショート投稿であれば、サービスによっては数か月分をまとめて仕込んでおくことも可能です。つまり「今日書いて今日出す」をやめて、「まとめて書いて、先の日付に置いておく」という運用に切り替えられるということです。

まとめて作って、先に並べておく

素材さえ手元にあれば、投稿文をまとめて考えて、予約投稿の枠に先の日付まで入れていく。これができると、納期に追われる感覚がなくなります。慣れないうちは、まとめて作業をする日を作ること自体に抵抗があるかもしれません。ですが、その日だけ集中して作業してしまえば、あとの数日は投稿のことを考えなくて済みます。

反対に、毎日その日の分を新しく作り続けるやり方は、負担が思っている以上に大きいものです。1本あたりの作業自体は短時間でも、それを毎日欠かさず続けるという心理的な負荷は積み重なります。まとめて仕込んで前倒しする運用に切り替えると、この負荷そのものが減ります。少ない素材から、品質を保ったまま複数の媒体へ展開していく、という考え方も、この前倒しの仕込みがあって初めて成立します。

差し替えと管理表という2つの装置

まとめて仕込む運用には、1つだけ注意点があります。予定を先に並べたあとで、新しいイベントが入ったり、季節の話題を差し込みたくなったりすることがあるからです。そのときは、該当する投稿の予約日をずらして順番を入れ替えれば対応できます。予約投稿の機能自体に、後から日付を変更する操作は用意されています。

ただし、入れ替えを重ねていくと、どこを前倒しにして、どこが空いたのか、画面だけでは分かりにくくなっていきます。ここで役に立つのが、投稿内容・作業を行った日・予約投稿日を並べた管理表です。表計算ソフトで一覧にしておけば、抜けや重複がひと目で分かり、担当者以外の人が見ても進捗を共有できます。予約投稿という仕組みと、進捗を一覧できる管理表という2つを組み合わせて初めて、まとめて仕込む運用が安定して回るようになります。

管理表があると、社内での確認作業もやりやすくなります。投稿内容を事前にチェックしてから公開日を迎える、という流れを作っておけば、公開してから間違いに気づくということも減らせます。

仕事を貯めておく、という考え方

予約投稿の効果は、投稿が飛ばなくなることだけではありません。仕事を「今日中に片づけなければいけないもの」と「多少後回しにしても構わないもの」に分けて考えられるようになる、という副次的な効果もあります。

SNS投稿のように公開する日を先に決められる作業は、後者の代表格です。忙しくない日にまとめて作っておき、投稿という形で先の日付に貯めておく。そうすれば、急な依頼が入って忙しくなった日でも、貯めておいた投稿がそのまま予定どおりに出ていくので、手を止めて投稿を作る必要がなくなります。

反対に、とくに急ぎの用事がない日には、貯めておいた仕事のうち優先度の低いものから片づけていきます。こうして仕事量を平準化していくと、忙しい日と暇な日の差が小さくなり、日によって負荷が大きく変わることもなくなります。SNS運用は、この「先に仕込んで貯めておける仕事」の中でも扱いやすい部類に入ります。素材さえ揃っていれば、投稿文を作る作業そのものは、その日の忙しさに左右されにくいからです。

段取りを1つ足すだけでいい

投稿が続かないのは、意志が弱いからではありません。当日にゼロから作る段取りになっているからです。作る日と投稿する日を分け、予約投稿の機能を使ってまとめて先に仕込んでおく。そこに、進捗が一覧できる管理表を添える。やることはこの1工程を足すだけです。

明日からいきなり数か月分を仕込む必要はありません。まずは今週分だけ、まとめて作業する日を1日作ってみてください。そのひと手間が、2週間投稿が止まるという事態を防ぎます。


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