問い合わせフォームに来た連絡を、担当者がそのつどメールで見て、見積もりを作って返信する。多くの中小企業の営業は、まだこの形で回っています。悪いやり方ではありません。ただ、問い合わせが増えてくると、「この人にはもう見積もりを出したか」「もう他社で決まった人に、うっかりまた連絡していないか」が、頭の中だけでは追えなくなっていきます。
問い合わせを、メールの受信箱に来た1通ではなく、顧客名簿の1行として見る。実はここが、顧客管理の入り口です。今日は、高い専用システムを入れなくても、その入り口に立つ方法を書きます。
ホームページの問い合わせフォームがなぜ大事なのか
ウェブサイトに問い合わせフォームを作れる会社は、作っておいたほうがいい。これを「コンバージョン」と呼びます。
あるレンタカー会社の例です。SNSで集客し、お客様の声をXに載せ、そこからホームページへ誘導していました。ホームページの中には、レンタルできる車種や地域名を盛り込んだブログ記事があり、検索から来た人がそのままページを読み、最後に問い合わせフォームへたどり着く、という流れができていました。
ここで入力された情報が、いわゆる「リード」、つまり見込み客の情報です。フォームは、SNSや検索で集めた関心を、連絡先という形に変える窓口になっています。
大手が使う仕組みと、中小企業の現実
問い合わせフォームから届いた情報を、大手の会社は顧客管理システム(CRM)と連携させていることが多いです。大手が提供する顧客管理システムと連携させ、誰に何を提案し、どこまで話が進んでいるかを、一元管理しています。
ただ、中小企業でそこまでやっている会社は、まだ多くありません。専用の顧客管理システムを一から作ろうとすると、費用も期間もそれなりにかかります。かといって、何も記録せずにメールの受信箱へ放置していい理由にはなりません。
専用システムを入れなくても、ここまでできる
最初の一歩は、専用システムを入れなくても作れます。たとえば、ホームページの問い合わせフォームを、表計算ソフトと連携する形で作ると、入力された内容がそのままシート上に一覧として溜まっていきます。
これだけで、「どこまで見積もりを出したか」「この人はもう他社で決まったので、フォローの必要がないか」を、記録として残せるようになります。専用の顧客管理システムほどではありませんが、名簿として顧客情報を扱える状態には、これで十分近づきます。
もう一段進めたい場合は、ノーコードで使える簡易ツールを使う方法もあります。一覧表だけでなく、いつ・どんなやり取りをしたかという営業活動の記録まで、同じ場所に残せるようになります。
明日からできる一手
理想を言えば、フォームに入力された情報がそのまま管理ツールに流れ込み、そこで全部完結する形です。ただ、そこまで丁寧に作り込もうとすると、きりがありません。
まずは、問い合わせを「メールの1通」ではなく「名簿の1行」として扱うところから始めてみてください。表計算ソフトに、社名・連絡先・進捗状況の3列を作るだけでも、頭の中だけで管理している状態とは大きく変わります。高い道具は、そのあとで十分です。
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