自動化はひとつの大きな流れにまとめない——小分けにして組む理由

自動化の道具を使い始めると、あるところで必ず迷います。案内のページが十枚あるとき、裏で動く流れを十本作るのか、それとも条件分岐を仕込んだ大きな一本にまとめるのか。きちんとした性格の人ほど、一本にまとめたくなります。私も最初はそちらに憧れました。設計図が一枚で済むのは、いかにも美しく見えるからです。

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まとめたくなるのは、作る側の都合

海外の利用者どうしの集まりで、まさにこの迷いが相談されているのを見かけました。相談した人は元の職業が技術者で、一本にまとめたい本能がある、と正直に書いていました。ところが実際にまとめてみると、画面が重くなり、分岐が絡み合って目で追えなくなったそうです。

寄せられた返事は、ほぼ全員が「分けなさい」でした。理由が興味深いので、順に紹介します。

走っている途中の人を、もう一度入れられない

一番はっきりした理由は、道具の仕組みそのものにありました。多くの自動化の道具では、ひとつの流れを進んでいる途中の相手を、同じ流れにもう一度入れることができません。最後まで抜けきるまで、再入場ができないのです。

大きな一本に何もかも詰め込むと、この決まりが思わぬ形で効いてきます。まだ前の枝を進んでいる人が、次の案内に乗れない。設定は正しいのに、なぜかこの人にだけ届かない。原因は間違いではなく仕組みの決まりなので、調べてもなかなか見つかりません。私はこの話を読んで、過去に覚えのある詰まり方をいくつか思い出しました。

組んだ日は美しく、運用の日々は苦しい

もうひとつの理由は、時間が経ってから効いてきます。長くこの道具で仕事をしている人が、こう書いていました。統合は組み立てた日には綺麗に見える。しかし運用が始まると、不具合の切り分けも、複製も、手直しも、あとから入った人の理解も、すべて小分けのほうが楽になる、と。

仕組みは組んだ日が完成ではなく、そこからが本番です。直す日の自分や、引き継ぐ相手のことを考えると、多少ファイルの数が増えても、一本ずつが小さいほうが扱いやすい。私自身、他人が組んだ大きな一本を渡されて途方に暮れた経験があるので、これには深くうなずきました。

部品を作る、という考え方

その議論の中で、いちばん年季の入った参加者の言葉が印象に残っています。巨大な自動化は作らない、再利用できる部品を作る、というものです。

お礼の連絡を送る部品。日程の確認をする部品。返事がない人に翌週もう一度声をかける部品。小さな部品をいくつも持っておいて、案件ごとに組み合わせる。こうしておくと、ひとつの部品を直せば、それを使うすべての場面が直ります。

まとめてよいのは、入り口が同じものだけ

では何もかも分ければよいかというと、そうでもありません。議論の中では、入り口が同じ種類のものだけはまとめてよい、という線が引かれていました。たとえば予約に関する流れは一本に、資料請求に関する流れは別の一本に、という具合です。

入り口の性質がそろっていれば、中の枝分かれは読みやすいままです。逆に、性質の違う入り口をひとつに束ねたときから、あの絡み合いが始まります。

分けたものには、名前で住所を与える

小分けにすると、今度は本数が増えて迷子になる、という心配が出ます。これは名前の付け方でほぼ解決します。入り口の種類と目的が名前から読めるように、命名の型をひとつ決めておく。誰宛てか、何をするものか、いつ作ったか。この三つが名前に入っていれば、半年後の自分も、引き継いだ人も、開かずに中身の見当がつきます。

私の経験では、仕組みの散らかりは本数のせいではなく、名前の無秩序のせいで起きます。分ける勇気と、名前の規律。この二つはいつも一組です。

もし手元に、育ちすぎた一本があるなら、今日は図を開いて眺めるだけでかまいません。入り口の違うものが同居していないか。それを見つけることが、ほどく作業の最初の一歩になります。

当てはまる人だけへ

同じような詰まり方をしている、という方に、続きをお届けする場所をご用意しています。うまくいったことだけでなく、つまずいたことも含めて書いています。

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提供元: 株式会社トレジャーハンティング

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