同じものを同じ相手に案内しても、いつ、どういう順番で知らせるかで結果は変わります。私は以前、告知は一度きちんと出せば届くものだと思っていました。実際には、一度の案内で動く人はごく一部で、残りは「そのうち見る」のまま日が過ぎていきます。
売り出しの段取りとは、この「そのうち」を減らすための、回数と間隔の設計のことです。
案内の出し方には二つある
配信の仕組みには、性格の違う二つのやり方があります。
ひとつは、登録した日を起点に順番どおり自動で流れていくやり方。登録した人にこれ、その次にこれ、と組んでおくと、いつ入ってきた人にも同じ順番で届きます。年中受け付けているものに向きます。
もうひとつは、日付と時刻を指定して、全員に同じタイミングで送るやり方。開催日が決まっている催しの案内はこちらです。締切までの残りが全員そろっているので、「明日までです」という案内が、全員にとって本当に明日になります。
私はこの二つを、締切が人によって違うか、全員同じかで選び分けています。開催日が決まっているうちは日付指定で組み、日程を固定しない形へ移すときに、登録日起点のほうへ切り替えます。
ただし日付指定で組むときは、送る側に手間が残ります。残り枠や締切までの日数のように、時間とともに変わる話を文面に入れるなら、その都度書き換えることになる。仕組みに任せきりにはできず、期間中は裏側で手を入れ続ける前提です。ここを見込まずに本数だけ増やすと、いちばん忙しい日に文面の直しが降ってきます。
切り替えを前提に組んでおく
期間限定で走らせた案内を、終わったあとに年中受け付ける形へ作り直す場面が必ず来ます。ここで別の仕組みをまるごと新しく作ると、案内の中に埋め込んだ行き先を全部差し替える羽目になります。これが地味に重い。
先に両方を用意しておき、動かすほうと止めるほうを入れ替えるだけにしておくと、この作り直しが要りません。使うほうを稼働の状態に、使わないほうを下書きに置いておく。切り替えの日は、その二つを入れ替えれば終わります。
申し込んだ人に、申し込みの案内を送らない
回数を増やすと必ず起きるのが、もう申し込んだ人へ「まだの方はこちらです」と送ってしまう事故です。これは信用を目に見えて減らします。
申し込んだ時点で印を付け、その印が付いている人を配信の対象から外す。この一手間を最初に組み込んでおくと、後半で案内の回数を増やすときも安心して押せます。逆にここが無いと、怖くて回数を増やせません。段取りを厚くできるかどうかは、この仕組みがあるかどうかで決まります。
直前に詰め込まず、手前で長く話しておく
回数と間隔をいくら整えても、当日の直前に初めて名前を知った人は動きません。効いているのは、その手前で何を話してきたかです。
私は、案内の設計そのものより、始まる前の期間に時間をかけます。事前に十分話しておくと、当日の案内は驚くほど簡素で済みます。席に着いた時点でもう決めていた、という人が来るからです。逆に手前が薄いと、直前にいくら言葉を足しても間に合わない。段取りの勝負は、案内を出し始める前についています。
やりすぎではないかと心配になるくらい話しておいて、ちょうどいい。周りから宣伝しすぎだと言われる程度でも、受け取る側は思ったほど見ていません。
短い連絡手段は、教える場所ではない
LINEのような短い連絡手段を使うとき、そこを教える場所だと考えると失敗します。長い文章を送ったり、話を引っ張って続きを次に回したりすると、読む側は面倒になって離れていきます。ブロックされたら、それ以降の案内は一通も届きません。
役割は、反応してもらうことです。何が、いつ、どこであるのか。最低限の知らせを送り、行き先は画像やボタンではっきり示す。長く語りたいことは、その先に置いておけば足ります。
回数、間隔、除外、そして手前の仕込み。次の売り出しでは、案内文を書き始める前に、この四つを紙に並べてみてください。
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